ネイルサロンを開業するためには資金がいくらかかる?相場と調達する方法も解説

ネイルサロンを開業するためには資金がいくらかかる?相場と調達する方法も解説 2021.12.20起業のための資金調達 – 美容(美容院・ネイル・エステ・フィットネス)
ネイル サロン 開業 資金

ネイルサロンを開業したいけど、どのくらい資金がかかるのかを知りたい人もいますよね。ネイルサロン開業に向けて資金を貯めてきたけど、現状の資金で足りるかどうか気になっている人もいるでしょう。

ネイルサロンを開業するためには300~400万円程度を準備しておく必要があります。

当記事ではネイルサロンを開業するために必要な資金を解説します。ネイルサロンの開業を検討している人は参考にしてみてください。

ネイルサロン開業するためには平均すると350万円かかっている

当社株式会社SoLabo(ソラボ)が、実際にネイルサロン開業の資金調達を支援した10件を平均すると350万円かかっていました。

ネイルサロンを開業するためには、店舗を構えるためにかかる「設備費用」と店舗を運営するためにかかる「運営費用」がそれぞれ必要です。店舗場所や規模などによって開業に必要となる資金は異なりますので、目安として参考にしてみてください。

ネイルサロン開業に必要な設備費用は200万円

ネイルサロンの開業のために必要な設備費用は200万円程度必要です。設備費用としては主に3つが挙げられます。

  • 物件取得費用
  • 内装費用
  • 什器・備品費用

自宅で開業する場合、物件を借りる必要がないため、物件取得費用がかからず100万円程度で開業できる場合があります。

一方、賃貸物件で開業する場合はマンションの一室なのか、店舗物件(テナント)なのかで異なりますが、200万円以上の設備費用がかかる傾向があります。

なお、マンションで開業をする場合、事前にネイルサロンとして使用できるのかを貸主に確認しなければなりません。

物件取得費用

物件取得費用は、店舗物件を借りるためにかかる費用をいいます。物件取得費用は主に4つが挙げられます。

  • 保証金(敷金)
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 前家賃

物件によりますが、マンションと店舗物件(テナント)で保証金(敷金)が異なる傾向があります。マンションだと賃料の1~3か月分程度なのに対し、店舗物件(テナント)だと賃料の6~12か月分程度かかる場合があります。

また、礼金と仲介手数料はそれぞれ賃料の1か月分程度かかります。

さらに前家賃もかかる場合があります。前家賃とは、物件の契約時に当月分(日割)と翌月分の家賃を先払いすることです。

家賃10万円の物件を借りるときの物件取得費用の一例は次の通りです。

【家賃10万円の物件の一例】

 

目安金額

保証金(敷金)

・マンションの場合30万円(賃料の3ヶ月分)
・店舗物件(テナント)の場合100万円(賃料の10ヶ月分)

礼金

10万円(賃料の1ヶ月分)

仲介手数料

10万円(賃料の1ヶ月分)

前家賃

15万円(今月15日分と翌月分の賃料)

合計

・マンションの場合55万円
・店舗物件(テナント)の場合135万円

物件によって、物件取得に必要な費用は異なります。そのため、物件を選ぶ際には家賃だけでなく「保証金(敷金)」「礼金」「仲介手数料」「前家賃」がそれぞれいくらかかるのかを確認しましょう。

内装費用

内装費用は、店舗の内装工事をするための費用をいい、「壁」「床」「空調」「トイレ」「照明」などの工事を指します。

店舗の場所や工事内容によりますが、内装費用は30~500万円以上かかる場合があります。

自宅での開業する場合、エアコンやパーテーションの設置などであれば、30万円以内で内装工事を行えます。一方で、店舗物件(テナント)の場合、床や壁など何もない状態から、かつこだわった内装工事をすると、500万円以上かかるケースもあります。

内装工事は、サロンの内装実績が豊富な業者に依頼するといいでしょう。実績を活かして、予算内に抑える提案をしてもらえる場合があるからです。

なお、マンションの場合、物件によっては内装工事ができないこともありますので、契約する前に内装工事ができるかどうかを貸主に確認しましょう。

什器・備品費用

什器・備品としては、主に「テーブル」「ソファー(チェア)」「ワゴン」「ネイルライト」「ネイル用品」などが挙げられ、揃えると30~50万円程度はかかります。

【什器・備品費用の一例】

種類

目安金額

テーブル

5千円~数十万円

ソファー(チェア)

1万円~数十万円

ワゴン

数千円~5万円

ネイルライト

数千円~3万円

ネイル用品

数百円~数万円

ネイルサロンの場合、特にソファーやチェアにこだわる傾向があります。お客さんが長時間座って施術を受けるからです。

ソファーやチェアは、素材やタイプなどにより1万円以内~数十万円までさまざまですが、座り心地で決めるのが良いでしょう。

また、ネイル用品は揃えれば揃えるほど費用がかかってしまいます。お客さんの要望に合わせて徐々に増やしていくことも検討しましょう。

店舗運営のために月商の3か月程度の資金を準備する

開業後に、ネイルサロンを維持・継続させるためにも運営費用(運転資金とも呼ばれます)も必要です。そこで、店舗運営のために月商予定の3か月程度の資金を準備しましょう。オープンしてから3か月程度は赤字になる傾向があるからです。

店舗を維持するための費用が月の売上と比例する傾向があるため、月の売上の3か月程度の資金を準備しておくと、資金がなくなって、運営できなくなるリスクを抑えられるでしょう。月の売上を50万円程度と想定している場合、150万円程度の資金を準備しておきましょう。

ネイルサロンの運営資金としては主に6つが挙げられます。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 仕入費用
  • 広告宣伝費
  • 消耗品費
  • 人件費(従業員を雇用する場合)

たとえば、家賃や水道光熱費はオープンがずれたり一時休業したりしたとしても、原則として毎月支払わなければなりません。

月商の3ヶ月分の資金を事前に準備することで、オープンして数か月で資金不足になるのを防げるでしょう。

新規客を獲得するための広告宣伝費を準備する

新規客を獲得するために、広告宣伝費として5万円程度は準備しておきましょう。ネイルサロンを運営する中で、集客が課題になる傾向があるためです。

開業当初は知人や友人、勤めていたネイルサロンでの指名客などに来店してもらえるでしょう。しかし、転勤などの理由で来られなくなるケースもありえるため、常に新規客を獲得し続けなければなりません。

広告宣伝費がかかる集客方法としては次の2つが挙げられます。

  • ホットペッパービューティーへの掲載
  • ポスティング

ホットペッパービューティーへの掲載やポスティングは、実施することで集客につながる可能性があります。

他にも、SNSを活用して集客する方法があります。しかし、SNSは店舗内やお客さんの事例を投稿する中で、集客につながる傾向がありますので、開業当初から集客するのは難しいでしょう。

そのため、SNSだけでなく、ホットペッパービューティーへの掲載やポスティングも合わせて検討するのが良いでしょう。

運営資金に加えて生活費も準備する

運営資金に加えて、自身の生活費も準備しましょう。開業当初、利益が出なくても自身の生活のために生活費が必要だからです。

開業してから売上が安定するまでに3か月以上かかる傾向があります。

そのため、運営資金とは別で、自宅の家賃、食費、水道光熱費、ローンなどの支払いなど生活に必要なお金を最低でも3か月程度は準備しておきましょう。

金融機関から開業資金を借りる

店舗物件(テナント)でネイルサロンを開業する場合には300万円以上かかる傾向があるため、開業するための資金が足りない場合は、金融機関から借りることを検討しましょう。

借入先の金融機関としては主に3つが挙げられます。

  • 日本政策金融公庫
  • 信用金庫や銀行
  • ノンバンク

【主な金融機関とそれぞれの特徴】

金融機関

特徴

日本政策金融公庫

・創業期は原則として無担保、無保証で利用できる(新創業融資制度の場合)

・「女性」「若者」「シニア」起業家を支援する制度がある

信用金庫や銀行

・管轄エリア内の中小企業や個人事業主への融資を行っている

・はじめて融資を受ける場合は、「信用保証付融資」を提案される傾向がある

ノンバンク 

・来店不要で、Webで申込を完結させることができる場合がある

・審査期間が最短24時間~3営業日程度となる傾向がある

金融機関ごとに特徴が異なるため、借入先を決める際には自身の状況に合わせて決めましょう。

日本政策金融公庫の融資制度を利用する

日本政策金融公庫は、政府が100%出資する公的金融機関のひとつであり、小規模事業者や創業者を支援しています。

創業時は実績が乏しいため、民間の金融機関から借りるのが難しい傾向にありますが、日本政策金融公庫の場合は創業前や創業後間もない人に対しても積極的に支援を行っています。

他にも女性や若者起業家を支援する融資制度も設けており、女性や若者でも融資を受けられる制度があります。

そのため、日本政策金融公庫から借りることも検討するとよいでしょう。

銀行や信用金庫で信用保証付き融資を利用する

銀行や信用金庫は管轄エリア内の中小企業や個人事業主への融資を行っていて、事業用の資金をはじめて借りる場合、「信用保証付き融資」を提案される傾向があります。

信用保証付き融資とは、信用保証協会が事業者の債務を保証する融資のことです。実績のない事業者は銀行や信用金庫から融資を受けるのが難しいですが、信用保証協会の保証があれば融資を受けられる可能性があります。

信用保証協会への交渉は、銀行や信用金庫に融資の相談をしにいけば、各金融機関が行ってくれます。もし日本政策金融公庫など他の金融機関からの融資が通らなかった場合、銀行に相談しに行くとよいでしょう。

ノンバンクのビジネスローンを利用する

ノンバンクとは、銀行や信用金庫など以外の金融機関のことを指し、具体的にはクレジットカード会社、信販会社、消費者金融が挙げられます。

来店することなく、Webで申込を完結させることができるビジネスローンもあります。そのため、急いで資金を借りたい人はノンバンクのビジネスローンも選択肢のひとつでしょう。

ただし、ビジネスローンの実質年率が日本政策金融公庫や銀行と比べて高金利のため、金利を確認して契約するかどうかを判断しましょう。

開業資金として助成金や補助金は利用できない

助成金や補助金は、国や地方公共団体などから支給されるお金のことですが、開業資金としては利用できません。助成金は原則として要件を満たした場合に後払いされる制度であり、原則として開業時には支給されないからです。補助金も原則として後払いです。

とはいえ、開業後に助成金や補助金を活用することで、資金繰りの改善につながる可能性があります。たとえば、小規模事業者持続化補助金を利用すれば、ネイルサロン開業時に払った備品の費用の最大2/3まで給付を受けられます。

助成金や補助金については「開業した個人事業主でも申請可能な補助金と助成金」でも解説しています。

助成金や補助金を検討している人は、合わせて確認してみてください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://inqup.com/