マツエクサロンを開業時の資金と資格~自宅開業の内装・保健所の届出

マツエクサロン開業の資金と資格~自宅開業の内装・保健所の届出 起業のための資金調達 – 美容(美容院・ネイル・エステ・フィットネス)
マツエクサロン 開業

マツエクとはまつげエクステンションの略で、人口まつげそのものや人口まつげをつける技術のことをマツエクと言います。

マツエクは元々40年前に韓国で発祥したまつげ美容がきっかけで発展したそうで、つけると眼がパッチリと見え、メリハリのある顔を印象付けられます。

美容業界の中で比較的、開業しやすい部類に入ると言われているマツエクサロン。開業したい方も多いのではないでしょうか。

 今回の記事では、マツエクサロンを開業するのにどれだけお金がかかるのか、また開業するのに必要な資格や保健所への届出について解説していきます。

 1.マツエクとアイリストとは

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2012年、「つけまつけ~る♪」という曲できゃりーぱみゅぱみゅさんがブレイクしました。懐かしいですね。その当時は日本ではマツエクは10~20代の若年層だけのもの、という印象がありましたが、(中小機構のまつげエクステサロンの市場調査データ)によると、今は30代(17%)40代(11%)はもちろん、60代(6%)の方までサロンに訪れることがあるそうです。どの世代でも、女性の美への意識は常に高いですよね。

 マツエクは主にポリエステル繊維でできており、繊細な目元に非常に近い位置につけるため、適切な技術や正しい知識が必要です。そこで、「アイリスト」という職業が登場しました。

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 アイリストは、まつげケアのプロフェッショナルです。正しい知識と適切な技術を持ち、目を傷めずマツエクをつけるのはもちろん、まつげカールやまつげパーマなどお客様の要望に合わせた目元の演出をしてくれます。(ちなみに、アイリストという名称とは別に、まつげの地毛1本につき1本の人口毛をつけるという技術者のことを、社団法人日本まつげエクステンション協会では「アイデザイナー」と呼んでいます)

 マツエクを付ける人はほぼ女性のみですが、アイリストになりたい人もほぼ女性です。アイリストになる道ですが、2パターンあります。一つ目は、自分でマツエクをつけているうちに興味が出て、専門学校に行き資格を取る、というパターンです。もう一つは、元々髪を切ることができる美容師免許を持っていて、アイリストに興味が出て別の講習を受けてアイリストを目指す、というパターンです。

 2.マツエクサロンの開業でかかる資金

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では、マツエクサロンの開業でかかる資金について、具体的にみていきましょう。

 ①物件取得費用

マツエクを施術するための店舗(マツエク専門店)を開く場合、店舗の場所となるテナントを借りるか購入する必要があります。購入の場合は何千万円単位のお金がかかるため、今回は「テナントを借りる」ことを想定してお話します。

 (1)東京で出店する場合の費用

マツエク専門店ですが、東京都内の場合は池袋や新宿などのターミナル駅に多く出店されており、多くの場合は雑居ビルのワンフロアを借りてベッド数3~7程度の場合が多いです。その他の地域(例えば新潟や岩手)の場合も、大学やスーパーなど大型の施設の付近に出店し、集客しやすい物件を契約しています。

 例えば、東京の池袋などのターミナル駅の駅チカでベッド7台の広さで出店する場合は、初期に必要な物件取得費(月決め契約・家賃)は200~250万円が相場です。

 

東京の場合

出店したい場所

・女性が多く通る場所(周りに美容院が多い)

・人通りが多い場所(大学やスーパーが近い)

出店に必要な面積

20~30坪

物件取得費用

≪池袋・徒歩2分・21坪の場合≫

・家賃25万円⇒計253万円

不動産仲介手数料(3か月)=78万円

前家賃(1か月)=25万円

保証金→敷・礼金(6か月分)=150万円

 (2)東京などの大都市以外で出店する場合

これに対し、東京や大阪や名古屋などの大都市以外の場所で出店する場合は、ベッド数は3~5台あれば十分です。岩手県盛岡市でベッド数3台の場合は、以下の費用となります。 

 

東京などの大都市以外の場合

出店したい場所

・女性が多く通る場所(周りに美容院が多い)

・人通りが多い場所(大学やスーパーが近い)

出店に必要な面積

10~20坪

物件取得費用

≪盛岡駅バス3分2分・9坪の場合≫

・家賃5.5万円⇒計55万円

不動産仲介手数料(3か月)=16.5万円

前家賃(1か月)=5.5万円

保証金→敷・礼金(6か月分)=33万円

 出店する場所によって、250万円と55万円という大きな差が生まれました。家賃がネック場合は郊外に出店することで節約は可能ですが、家賃には集客能力も関係します。出店場所はよく考えて決めましょう。

 (3)自宅やマンションで出店する場合

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自宅や保有マンションが保健所の要件を満たしているのであれば、アイリストとしてマツエクの営業をそこですることに問題はありません。

 ただ、自宅の場合は看板を出せるのかといった点や、マンションの場合はどうやって集客するのか、マンションの規約では営業を許可しているのか、といった点も注意が必要です。

マツエクサロンは美容業なので、雑多な雰囲気は女性は好まず、少しリッチな雰囲気作りが大切です。アロマキャンドルや照明、ソファや雑誌、ハーブティのサービスなど、女性が嬉しい細かい気配りでリピーターを増やしましょう。

 (4)既にある美容室やエステ店にマツエクメニューを追加する

既に店舗がある場合、その一部をマツエクのために使えば最も効果的でかつお金の負担もかからず開業できます。マツエクは基本的にお客様がベッドに寝た状態で施術しますので、少なくともベッド一台とその横の作業スペース(ワゴン)を確保しましょう。

 既存のメニューにマツエクを追加する方法ですが、店内チラシやホームページなどで告知をして、既存顧客だけに向けアピールする場合は特に内装工事をせずにスタートできます。

 店内の間取り(髪を切るお客様とマツエクのお客様を仕切る壁がない、など)によっては、内装工事が必要になります。内装工事とは一つの工事を指すものではなく、以下のような複数の工事の総称を指します。

  • 仮設工事
  • 軽鉄・ボード工事
  • 木工・健具工事
  • 空調換気設備工事
  • 消防設備工事
  • サイン工事
  • 間仕切り壁設置工事
  • 電気配線・LAN工事
  • 給排水工事
  • 照明器具工事  

マツエクサロンで必要な内装費(参照)

20~50万円

外装工事

40~100万円

 エステサロンや美容室などの内装工事費用ですが、一般的なところでは坪単価が20万円~となっています。しかし、マツエクのスペースでベッド一台分などの省スペースであれば、内装費は100万円が相場です。できるだけ自分でできる部分(壁紙貼りなど)は自分で行い、どうしても業者でなくてはできない部分のみを注文すれば、費用は節約できます。

 ②施術に必要な道具

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マツエクで開業するのに2番目にお金がかかる部分が、この施術用具や機材です。マツエクの商材は大事な商売道具です。安さだけでなく、人気のあるもの、定番品、あなたがおすすめのものなどを揃えていきましょう。

 【マツエクサロン開業で必要な商品・グッズ・道具】

  • 人口まつげ(シルク、ミンク、セーブルなど)→1セット980円~3,000円
  • まつエク施術用ベッドまたはリクライニングソファ⇒2万円~8万円
  • ワゴンと施術で自分が座るスツール⇒ワゴンが2万円前後、スツールが7~8,000円
  • ツイザー(専用のピンセット)→3,000円
  • グルー(接着剤)→【5ml】2,500~4,500円
  • タオルウォーマー⇒7~8,000円
  • プライマー⇒【100l】1本2,000円程度
  • マツエク用照明(拡大)→1万円~2万円

 ワゴンやベッドなどは開業時のみに必要となり、約10万円あれば購入できます。店内の雰囲気にも直結するため、できればゴージャスな雰囲気のものを選びましょう。その他グルーなどの消耗品は約20万円あれば一通りそろえられます。

 ③広告宣伝費(フライヤー作成費やホットペッパービューティ掲載費など)

マツエクサロンに人を呼ぶために、クーポン付きのチラシ作成やぱどなどの地域コミュニティペーパーに出稿する方法があります。いずれも予算は最低2万円~5万円程度です。 

また、美容系ということでホットペッパービューティやEPARKビュ-ティへの掲載も効果があるでしょう。 

④予約システム・公式ホームページ導入費用

ホットペッパーなどに掲載していれば、WEB予約のシステムも含まれているので無料で利用できます。しかし、予算の都合で自分自身が予約システムを導入する場合は、その費用も必要です。今は、電話予約よりWEBで予約する方が増えましたからね。

 おすすめは、「REWSERVA」や「Airリザーブ」などの無料で使える予約システムです。公式ホームページを作成して(20~50万円が相場)そこに予約システムを組み合わせることも可能です。

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 ⑤ゴミ処理と光熱水道代金

マツエク施術で出たごみなどの処理と熱水道代金も開業後には必要です。毎月どのぐらい営業するのか、お客様が何組くらいくるのかにもよりますが、毎月3万円~5万円ほどは出費があると覚悟しておきましょう。

 ⑥運転資金

運転資金とは毎月サロンを経営する上で必要な経費のことで、家賃と光熱水道費と人権委と材料費とその他備品代を含めた費用を指します。事業はゆとりをもった状態で始める方が、廃業率が低くなります。最低でも100万円ほどある状態で開業することをおすすめします。

 3.マツエク開業で必要な資格とは?

①持っていないと営業停止などの罰金がある資格

(1)美容師免許が必須

2年間、美容系の専門学校へ行くと取得できます。違反すると、サロンの営業停止+30万円以下の罰金となります。美容系の専門学校は山野愛子専門学校やベルエポック専門学校などさまざまありますが、アイリストの講座があるかは各学校に確認してください。

 (2)保健所への美容所登録

アイリストとしてマツエクサロンを開業する場合、あなたが開業する場所を管轄する保健所に「美容所開設届」を記入して提出しなければいけません。保健所はその後、あなたのサロンにチェックへ来ますが、その際のチェックポイントは以下の通りです。

 【保健所がチェックするマツエクサロン開業店舗の内装】

  • 床や壁は、水のしみこまない材質であること(腰板コンクリート、タイル、板など)
  • 施設の作業室面積が13平方メートル以上であること
  • 水道設備があること
  • 作業面の照明が100ルクス以上あること
  • 換気設備があること
  • 客待ち場所があること
  • 器具・布片の収納があること
  • 作業衣があること
  • 消毒液があること
  • 蓋つきのゴミ箱と毛髪箱があるかどうか
  • 従業員の管理ができていること
  • 施設が清潔であるかどうか

 お客様の目元を扱う職業ですので、明るく清潔でミスが起こりにくいという環境が大切なのですね。

 ②持っていると競合と差別化ができる資格

(1)JLAアイデザイナー技能検定試験

民間資格ですが、国内では広く知れ渡るマツエク関連の資格です。主催団体はJLA日本まつげエクステンション協会です。JLAアイデザイナー技能検定には、【ジュニアアイデザイナー】【アイデザイナー】【トップアイデザイナー】の3レベルがあり、衛生的な準備がdけいるという初歩の内容からバランス良い仕上がりになっている、サロン経営の技能や知識と実質的な内容となっています。

 【検定料】

  • ジュニアアイデザイナー 8,000円
  • アイデザイナー 15,000円
  • トップアイデザイナー 20,000円

 アイデザイナー技能検定について

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 (2)アイリストインストラクター

JLA日本まつげエクステンション協会はアイデザイナーという名称を使用していますが、一般社団法人日本アイリスト協会ではアイリストという言葉を使用しています。アイリストインストラクターの内容ですが、美容学校で学んでいない初心者が受験できる3級、美容師専門学校の免許の写しを提出しなければいけない2級、2級を取得済の者が受けられる1級と全3級がラインナップされています。

 余談ですが、一般社団法人日本アイリスト協会(JEA)の講師のぺージを見てみましたが、みなさん流石に目元が美しい方ばかりでしたよ。資格の詳細は、以下のページの「技術者になるには」という部分をクリックするとご参照頂けます。

 JEA認定講師のご紹介

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 ③税務署への開業届

アイリストとして無事に開業した後は、2か月以内に開業届を管轄の税務署へ提出しましょう。開業届を提出すれば、青色申告ができて税金が安く節約できます。

 まとめ

 既に美容師資格を持って働いている方や店舗を持つ方であれば、店舗取得費用がないため大幅に開業資金は削られます。

新規で開業する場合は、経験や自己資金と相談しつつ、顧客がつくまでの間は自宅で開業するというのも一つの方法です。(その場合も無免許ではできません)

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。