内装工事業を開業するための知識とは?
空き家が年々増えている日本。余った住居はリノベーションという形で修復され、中古物件で再販されます。物件の内外装を実際に行うのが、内外装工事業者です。 内外装工事業者の業務は幅広いのが特徴です。インテリアショップからの内装の依頼や大工・工務店からの下請けだけではなく、一般の消費者からの水回りリフォーム・オール電化、そしてハウスクリーニングまで仕事はさまざまです。 今回の記事では、内外装工事業で開業するための費用はいくらなのか、資金を得るためのビジネスプランの作成についてご紹介します。
1.内外装工事業で独立するにはいくら必要か?
開業資金は主に物件取得費費用、会社設立費用、施工材料費用、営業ツール費用、当座の運転資金の5つに分かれます。
①物件取得費費用
内外装工事業と建設業は密接な関係があります。図のように、内外装工事業だけを営む場合と工務店として会社設立をし、その中で内外装工事業を営むという2種類があります。
内外装工事業のみを営む場合、従業員は自分一人だけでスタートする方も多くいらっしゃいます。自宅に離れた部屋があるのであれば、それを利用して開業もできます。
これに対し、工務店の場合は事務所を構えてスタートする方がほとんどです。知り合いに大工や電気工事技師、内装屋などがいたため、自身の経験はなく工務店で開業された方もいらっしゃいます。工務店で開業するのであれば、従業員を雇い事務所も構えましょう。会社としての信頼度も高まります。
物件取得費用(保証金、敷礼金など)=約150万円
※家賃25万円の場合
②会社設立費用と資本金
次に、会社設立に関わる費用です。必要書類の作成、法人用の印鑑の作成、申請費用で約30万円かかります。
また、会社設立には資本金が必要です。資本金は極論1円からでも可能なのですが、実際に1円にする人は少ないと思います。無難なところで最低でも300万円は用意しておきましょう。
会社設立費用(必要書類の作成、法人用の印鑑の作成など)=約30万円
資本金=300万円
③施工材料費用
内外装工事では、木材、壁紙、石膏、ボード、ビニールタイルなどの床材や壁材を使って建築物の仕上げを行います。このことを内外装仕上工事と呼んでいます。
これらの材料は内外装業者自身が販売しているケースも多く、開業する際に必要になる部分ですね。
床材、壁材の仕入れ費用(施工材料費用)=約80万円
これに対し、大工工事・内装工事・塗装工事・電気工事など様々な専門工事を一括して請け負う工事を建築一式工事と呼んでいます。建築一式工事を請け負う場合は、実際に必要な仕入れ代金は提携している建築業者や大工さんが持つのでここでは省きます。
④営業ツール費用
今の時代、ホームページ作成は重要です。問い合わせフォームのついたホームページを作成しておけば、ひとり親方として手が離せない時にも後から返信してカバーできます。
ホームページ作成費用=約35万円
あなたが内外装業者として長年働いた経験があるのであれば、そのころの取引先に仕事がないか尋ねてみるとか、一度仕事を受けたお宅へ定期的にリフォーム提案のDMを送るなどの方法があります。
⑤当座の運転資金
開業してもしばらくは仕事が来ないかもしれないので、当座の会社の家賃や広告宣伝費などを準備しておきましょう。
家賃6か月分(家賃25万円の場合)=約150万円
人件費(フルタイム2名×3か月)=約180万円
広告宣伝費用(3か月)=約90万円
いかがでしたか?まとめますと、合計で900万円ほどの開業資金が必要です。
・物件取得費用(保証金、敷礼金など)=約150万円
※家賃25万円の場合
・会社設立費用(必要書類の作成、法人用の印鑑の作成など)=約30万円
・資本金=300万円
・ホームページ作成費用=約35万円
・家賃6か月分(家賃25万円の場合)=約150万円
・人件費(フルタイム2名×3か月)=約180万円
・広告宣伝費用(3か月)=約90万円
2.内外装工事業者は建設業の許可が必要か?
建設業を営むには建築士免許や技術士などの国家資格が必要です。内外装工事の場合は、以下のような「軽微な」建設業に当てはまるのであれば建設業の許可は必要ありません。
・工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
・建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
しかし、これ以上の金額の工事を請け負うのであれば、建設業許可を取らなくてはいけません。建設業の許可は地域により知事許可と大臣許可の2種類がありますが、それぞれ申請から許可が下りるまで約1か月かかります。
【建設業許可で必要な費用】
知事許可 |
大臣許可 |
||
一般建設業または特定建設業のいずれか一方のみの申請 |
一般建設業と特定建設業の両方同時の申請 |
一般建設業または特定建設業のいずれか一方のみの申請 |
一般建設業と特定建設業の両方同時の申請 |
9万円 |
18万円 |
15万円 (登録免許税) |
30万円 (登録免許税) |
建設業の許可を得るには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
(1)財産的基礎を満たすこと
自己資本の額が500万円以上あること、500万円いじょうの資金調達能力があること等
(2)経営業務管理責任者がいること
常勤役員のうちの1名が経営業務の管理責任者としての経験を有する者
(3)営業所ごとに選任技術者がいること
許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者、または
許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格を有する者など
3.社会保険・労災保険の加入は必須
内外装業を始めたいのであれば、保険の加入は必須です。まず加入すべきは、「賠償責任保険」と「労災の上乗せ保険」の2つ。
これらは、工事中や工事完了後に他人に損害を与えてしまった場合、そして職人や下請けの一人親方などが現在でケガをした時の保険です。
4.内外装業ではどれくらいの利益が見込めるか?
工事の種類にもよるが、内外装業では平均坪単価40万円から請け負うパターンが多い。
中小企業診断士によるデータでは、内外装工事業の理想的な利益率は25%と言われています。しかし、実際は15%いけばいい方です。坪40万円の工事を請け負った場合は、理想利益は6万円となります。
5.資金調達のための創業計画書とは?
さて、ここまで読んで内外装業者という道で開業しよう!という方は、どのように資金調達をすればいいのか考えてみましょう。
一般的には、日本政策金融公庫という日本政府100%出資の金融機関から事業資金を融資してもらうという方法があります。その際、必要書類は創業計画書です。詳細は、以下のURLにてご確認ください。
※上記URLをクリックすると、日本政策金融公庫公式ページにリンクします
銀行や信用金庫では、実績のない事業者が高額のお金を借りるのはほとんど100%無理でしょう。日本政策金融公庫でも100%の人が融資を受けられるかというと、そうではありません。
提出する創業計画書という書類をいかにしっかり書けるか、クレジットカード地獄に陥っている方ではないか、少なくとも200万円程度の自己資金を準備しているのか、その業界での経験が豊富にあるのか、などが主な審査ポイントです。
創業計画書の記入は難しいものではありませんが、慣れない方がいきなり書くと、本来は融資が通る方なのに失敗してしまうパターンもあります。創業計画書の記入は、認定支援機関という中小企業庁から認定された街の税理士などの専門家に頼んだ方が、融資の成功率は格段に高くなります。但し、平均で15万~20万円程度の手数料はかかりますので覚悟しておきましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
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2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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資金調達ノート » https://start-note.com/
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