エンジニアとしての経験を活かしてWeb業界で起業したいと考えている人もいるでしょう。
今回の記事では、最近増えているWebサービスで起業するための基礎知識をお届けします。
1.副業解禁でweb起業家がますます増加する傾向
近年、フリーでWebサービスを手掛けるエンジニアの人が増加傾向にあります。この背景の一つとして、2018年1月に厚生労働省により就業規則の改正案が出されたことが影響します。
もう一つの背景としては、IT系の企業は初期コストが抑えられるという点があります。パソコンとネット環境があれば自宅でもすぐ開業できるので、数あるフリーランスの中でも今後も起業家が増えると予想される業界です。
2.フリーランスの種類とWEBサービスフリーランスの割合
フリーランス白書2018によると、フリーランスは以下の3つにカテゴリ化されるそうです。
Webサービスのフリーランスは、クリエイティブフリーランスに属されます。
今はスマホやPCなしの生活は考えられない時代に到達しているので、必然的にそれらに関連するクリエイティブフリーランスは今後もしばらくは定着しつづけることでしょう。
人気のあるWeb系の職種はWebデザイナーとプログラマーです。
4.Web業界で起業して得られる年収は?
Webサービスで起業といっても、さまざまな種類があります。既存のシステムを使い、コンテンツのみ提供する場合は(写真サービスなど)コンテンツが集まるまでひたすら半年ほどコツコツと作業している間はお金が入ってきません。そのため、会社員時代からコツコツと準備することを検討してみてください。
Web業界全体のフリーランスのざっくりとした全体年収は100~600万円と非常に個人差があります。主婦の方でランサーズなどと契約してライター業をしている場合は月に数万円の収入です。
WebデザインやDTPができる方であれば副業以外で稼ぐならフリーランスでは300~500万円ほどの年収が相場です。会社員とさほど変わらない印象ですが、フリーランスの方がやりがいや満足度は会社員よりも高いと言われています。
【Webサービスの職種別フリーランス時の平均年収】
- Webデザイナー:240万円~400万円
- Webライター:200万円~300万円
- 動画ディレクター:400~550万円
- プログラマー:410万円~550万円
- システムエンジニア:550万円~650万
プログラマーの場合の年収をみてみましょう。会社員の場合、30代前半で410万円ほどの平均年収です。フリーランスで案件を掛け持ちすればあと100~200万円は稼げるでしょう。システムエンジニアの場合は会社員で平均年収は600万円ほどとなっています。フリーランスとして大型案件を受注できれば、やはり100~200万円ほど上乗せすることは可能です。
5.Webサービスで起業する方法
①マネタイズとは?
ネット業界でよく使われる言葉ですが、Web上の無料サービスを使って収益を上げる、という意味の言葉です。例えば、芸能人のAmebaブログでの広告収入がそれに当たります。毎日ブログを書いて、そこでバナー広告を貼っておけば多くの方がクリックして課金されるシステムです。
あとは、途中から課金するサービスもありますね。無料漫画アプリなどがそれに当たります。1~5話くらいまでを無料にして、ここから先は課金してね、というビジネスモデルです。
いずれにせよ、Webサービスで起業するのであれば無料サービスを使うのはいいのですが、最終的にどのように収益にもっていくか、という流れを最初から考えて構築するのが非常に大切です。
②開業資金はどれぐらいかかる?
さて、あなたがWebサービスやゲームのアイディアをお持ちだとして、それをどのように具現化すればいいかというお話をします。まず一番目に考えることは、あなた自身がそれらのコンテンツ(内容)を制作できるスキルや経験があるのかどうか、です。
なぜなら、それによりこの先必要な開業資金が異なるからです。
既にプログラマーやエンジニアとして十分な能力をお持ちの場合、上記のような開業資金が必要です。しかし、既に個人でこれらを持っている場合は別途お金をかける必要はありません。 オンラインサービス(Skype、チャットワーク、Google Appsなど)を使うのであれば、限りなく初期の固定費は抑えられます。また、最初は自宅でも十分起業できます。
自身でWebサービスやゲームの制作を行わない場合はこれに人件費がプラスとなります。ひと月まるまる作業してもらう場合、最低でも月給25万円~28万円はかかります。また、法人を設立して会社登記をする場合は、登記費用が15万円ほどかかります。
③人材はどう集める?
あなたが思い描くサービスを忠実に短時間でつくってくれる人材がすぐ見つかればいいのですが、なかなか良い人材が見つからないと苦戦する場合もあるでしょう。
Webサービス・ゲームの起業でキモとなるのが人材集めです。周りにいるお友達や知り合いの方でよい方がいれば、その方に相談してみることも検討してみてください。
しかし、そのような方がいない場合は以下のような方法で人材を集める方法もあります。
Sket:スケットはフリーランスの活動をサポートする、実名制のクラウドソーシングです。
例えば、上記のSketというサービスを使うとフリーランスで必要な人材をオンラインで探すことができます。例えば、Webデザインをする方が欲しければ、Webデザインのできる方を検索して仕事を相談できます。
とても良い点は、今忙しい、今ヒマだ、などのリソース状況(手の空きよう)が分かるグラフが表示できる点です。仕事を依頼したい人は、その表示を見ながら急ぎ案件はやめておこう、などのスケジュールができます。
6.どんなWebサービスがヒットする?最近の事例
Webサービスを始める起業家で海外の事例を参考にする傾向もあります。Webサービス先進国であるアメリカ・シリコンバレーを中心に成功したWebサービスをいくつかご紹介しましょう。
- ・元Google社員が開発したミーティングに特化したスケジュールアプリ → Accompany: ミーティングスケジュールアプリ
- ・アプリ開発者向け:ファイル検索ソフト → Atlas Informatics: マルチデバイス/アプリ向けファイル検索ソフト
- ・自動運転用ソフト → DeepScale: 自動運転用認識ソフト
- ・住宅ローンのオンライン化サービス → Lending Home:住宅ローンのオンライン化サービス
これらの起業家は必ずしも億単位のお金をかけて成功した訳ではなく、1,000万円前後の資金調達をしてスタートしたケースが多いようです。
まとめ
Webサービスで起業するメリットは初期投資が低いこと。しかし、自身が元エンジニアなどではない場合は思い描くサービスを共有できる人材をどのように見つけるかで苦労するかもしれません。
今後もさまざまなアイディアで生活を便利にするWebサービスには、人々の注目が集まっています。
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