焼肉屋の経営を成功させるため〇つのポイントとは?

焼肉屋の経営を成功させるため〇つのポイントとは? 更新日:2018.06.25 公開日:2018.06.25起業後の資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
焼肉屋 経営

街中でも良く見かける焼肉店。
しかし、開店してもすぐに潰れてしまう場合もゼロではありません。
では、経営している焼肉店を閉店させないためのポイントとは何なのでしょうか?
焼肉店経営の基礎知識として確認しておきましょう。

 

1.焼肉店経営は厳しい?

業界動向SEARCH.comによると、2015年ごろから焼肉業界の売上高は増加傾向にありました。

近年では牛肉の赤身肉が健康に良いと注目され、現在も好調な業績を維持しているとされています。

そのため「肉ブームの今なら焼肉店経営は成功するはずだ!」と考えて焼肉店を開業する方も多いでしょう。

では、肉ブームなのに焼肉店の経営が厳しくなる原因とは何なのでしょうか?

 

①牛肉の原価高騰!

焼肉店で提供されている国産和牛は、日本国内だけでなく海外からも人気があります。

海外からの需要と近年の肉ブームにより、国産和牛の原価は高騰傾向にあります。

また、和牛を育てる農家の減少や、東日本大震災の影響もあり、出荷数も減少しているのです。

焼肉店のメニューの殆どは牛肉で構成されています。

国産和牛を使用していることを売りにする焼肉店にとって、国産和牛の原価の高騰によって仕入のための費用が多くなってしまうことは、経営難を招く要因の大きな一つです。

 

②値段の改訂は客離れの大きな要因

国産和牛の原価が高騰しているならメニューの値段を上げて利益を出そうと考えるかもしれません。

しかし、メニューの値段を上げて、周囲の競合店よりも高い値段設定になってしまった場合、周囲の焼肉店にお客様が流れてしまう可能性があります。

そのため、販売する商品である国産和牛の原価が高騰しても、メニューの値上げが出来ない傾向にあります。

 

③利益が出ないと経営もちろん厳しくなる・・・

肉ブームによって、焼肉店は年々増加しています。

しかし、「競合の増加」「商品である国産和牛の原価高騰」「メニュー価格の改訂が難しい」などの要因が重なって、焼肉店の経営は難しい傾向になっています。

 

そのため、お客様が増える一方で、原価が高く利益が出にくい国産和牛を多く販売しなければならないのです。

 

もちろん経営は難しくなりますよね。

では、上手な焼肉店経営を続けていくためには良いのでしょうか?

 

2.焼肉屋経営の5つのポイントとは?

 

上手な焼肉店を経営するためのポイントとして

(1)仕入れ

(2)衛生管理

(3)客層の管理

 

(4)サイドメニューの原価

(5)ドリンク利益

が挙げられます。

 

(1)仕入

焼肉店に限らず、飲食店にとってどのような仕入れを実施するかは非常に大切な経営のポイントです。

焼肉店での仕入れ方法として

・卸肉屋からの仕入れ

・食肉センターからの仕入れ

・生産舎から直接仕入れ

などが挙げられます。

大手チェーン店などの経営規模が大きい場合、自社農場を持っていたり、大量の買い付けができたりなど、仕入を安く済ませることが可能です。

しかし、開業したばかりや、個人経営の店舗では大手チェーンのような仕入方式を採用することは難しいでしょう。

 

また、大手と比較して少量の仕入れとなる個人経営の店舗の場合、生肉をあつかう業者から質の悪い商品を売りつけられてしまう可能性もあります。

 

焼肉店を経営のための仕入れを失敗しないたには、まず食肉に関する知識を付けることが大前提です。

食肉の知識を付けるために、以下の4つの方法を参考にしてみてください。

 

①食肉センターで学ぶ

各地域で食肉の卸売りを実施している食肉センターに通って直接目で見て肉について学びましょう。

肉の切り方や、加工について知ることができます。

また、食肉センターに通うことで、同業者と知り合うことができ、仕入に関しても独自の仕入れルートを開拓できるかもしれません。

しかし、食肉センターはいきなり入ることはできません。

事前に中に入ることが可能かどうかを交渉・確認しておきましょう。

 

②競合他社で学ぶ

どのような焼肉店になりたいのか、どのような商品を提供すればお客様を獲得することができるのか、他の焼肉店に実際に行って調査することは非常に重要です。

開店前に同業の店舗を調査することも重要ですが、開業後に定期的に他店を訪問するようにしましょう。

肉について新しい発見をし、常に学んでおくことが重要です。

また、自分が経営する焼肉店と何が違うのか、どのように改善するべきなのかを知る良い機会になります。

 

③生産者に会う

食肉となる牛などを飼育している生産者に直接会いに行ってみましょう。

個人経営の焼肉店の場合、生産者から直接仕入れをしている店舗も少なくありません。

実際に生産者のもとを訪れ、生産現場から商品の事を知ることで、より肉について知ることができるでしょう。

すでに生産者と契約して直接の仕入れを実施している場合であっても、定期的に足を運んでおくことが大切です。

 

④本を読む!

何かを学ぶ時の基本として、本を読んで食肉について勉強しましょう。

図や写真が豊富な書籍を選ぶと良いでしょう。

また、食肉センターなどで学んだことを復習するためにも、分かりやすい本を何冊か持っておくとよいでしょう。

 

このような方法で食肉について学び、知識をつけることで、仕入の際に商品の状態を自分で判断することが可能になり、無駄な仕入れを減らすことができるでしょう。

また、食肉センターに通うことや、生産者のもとを訪れることで新しい仕入れルートの獲得にもつながるでしょう。

 

(2)衛生管理は焼肉屋の基本!

飲食店経営では、衛生管理はとても重要です。

もちろん焼肉店を開業する時に、保健所などの基準をクリアしているはずです。

しかし、衛生管理は経営をしていく中で継続して注意をしていくべきポイントと言えます。経営者だけでなく、従業員が定期的な衛生管理を確認できるようなマニュアルを作成しておきましょう。

清掃の手順や食品それぞれの扱い方について、店全体で共通の認識を持っておくべきです。

 

また、店内の清潔さはリピート客を獲得するために重要なポイントです。

人気店や参考にしたい焼肉店を参考にしてみましょう。

 

(3)どのような客層を狙う?

開業した立地条件や営業時間から、来店する客層を分析しましょう。

〇ビジネス街で会社員の来客が多く、ランチタイムの需要も大きい

〇住宅街が近く、子ども連れの来客が多い

〇土日の来客が少ない・多い

〇日曜日は若い女性客が多い

などを分析することで、営業時間を変更したり、メニューを変えたりします。

営業をしていくなかで、どのような客層をねらい、狙った客層の需要にこたえることができるように改善して、安定した集客力を保てるようにしましょう。

 

(4)サイドメニューの原価計算は怠らない!

前述の通り、近年牛肉の仕入れ原価は高騰しています。

飲食店経営において「原価率は30%以下に抑える」ことが経営のポイントであると良く耳にしますよね。

しかし、焼肉店を経営する上で、全ての商品を原価率30%以下に抑えることはほぼ不可能と言えます。

イチオシのメニューを作り、原価率が高くても赤字覚悟で提供することもあります。

もちろん、そのようなメニューがあっても問題はありません。そのぶんサイドメニューの原価を抑えるなどの工夫をしてバランスをとります。

 

また、提供する料理に使用する食材の量は統一するように徹底しましょう。

従業員全体で認識できるようにレシピを作成し、使用する材料の分量を明記するようにします。

 

無駄な食材を使用しないようにすることで、仕入・食材のロスを削減することに繋がります。

 

サイドメニューを考える時は、原価が低くても美味しい商品を提供しましょう。

季節や食材の価格変動を考慮して、定期的にサイドメニューを変更することも大切です。

 

(5)ドリンクの利益を見逃さない!

焼肉店では、食べ物の他にドリンクを提供しています。

多くの飲食店で、食べ物による利益のみで経営していくことは難しいでしょう。

ドリンクは粗利率が高く、原価率を下げたい焼肉店にとって、ドリンクを多く提供することは経営安定のための第一歩です。

しかし、ドリンクの販売量を増やすために何をするべきかは難しい問題となるでしょう。

 

〇早い時間帯のみの「ビール+おつまみセット」を作る

〇フードメニューが記載されている横に、それぞれのメニューにあうお酒を記載する

 

など、ドリンクはドリンクで販売する、という概念を捨て、あくまで焼肉を食べながら飲みたくなるドリンク、という考え方でお客様にアピールしてみると良いです。

 

まとめ

 

今回は焼肉店の経営を成功させるためのポイントについてご紹介しました。

焼肉店に限らず、飲食店経営に共通して言える成功のポイントに「原価率」があるでしょう。焼肉店では年々仕入原価が高騰しています。

しかし、原価率が上がったからといってメニューの値段を上げることは容易ではありません。

メインメニューである牛肉の原価が高くなっていることは全ての焼肉店で共通していることです。

その中で、潰れない経営をしていくためには、ドリンク・サイドメニュー・衛生管理・客層の把握、などのポイントを抑えておく必要があります。

 

ポイントを抑えた上で、改善できる部分は改善し、独自のセールスポイントを見つけましょう。

 

 

 

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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