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飲食店経営の基本!棚卸しのポイントとは?

飲食店の経営をしていく中で、棚卸しについて知りたい人もいますよね。飲食店を開業前に、棚卸しの情報を集めている人もいるでしょう。毎月の棚卸しを正確に実施することで、商品の原価率がどれくらいなのか知ることができます。

原価率によっては経営を圧迫してしまう可能性があるため、見直しが必要になります。今回は、飲食店における棚卸しを実施する際のポイントを解説します。

棚卸しとは

在庫を抱える事業を行う場合、定期的にどれくらい在庫があるのか確認する作業が必要になります。店舗で抱えている在庫数を確認をする作業を「棚卸し」と言います。

飲食店の棚卸しでは、食材や販売する前の商品がどれくらい残っているかを毎月決めた日に確認する傾向があります。

飲食店の棚卸しは重要!

飲食店を営業する場合、棚卸しを定期的に実施することが大切となります。

材料や利用していない製品、仕込み中から完成品まで販売していない商品全てが棚卸しの対象です。

在庫として残っている「個数」「量」「金額」を計算して、集計します。

飲食店で棚卸しが重要なワケ

飲食店において棚卸しが重要な理由としては、主に3つあります。

  1. 在庫ロスの削減
  2. 在庫が多い商品の把握
  3. 原価率の確認

これらのポイントを棚卸しによって把握することにより、仕入費用を抑えてることにつながる場合があります。

それぞれのポイントについて確認していきましょう。

①在庫ロスの削減

飲食店では、毎日の営業で利用する食材を在庫として抱える必要があります。

食材には消費期限があり、腐ってしまうと使用することが出来ず処分してしまうことになります。定期的な棚卸しをせずに、食材の在庫管理ができていない場合、食材の廃棄量増加の原因になります。

食材を廃棄する量が増えると、仕入れ費用が多くなってしまうことになり、結果として経営を圧迫する原因の一つになる場合があります。

定期的に棚卸しをして

  • その食材がどれくらい残っているのか
  • よく出る食材は何なのか

を把握して在庫ロスの軽減を目的としています。

②在庫が多い商品の把握

棚卸しによって在庫ロスを軽減するために、在庫が多い商品が何なのかを知っておくことも重要です。

定期的に棚卸しをしておくことにより、どの食材が残るのかの傾向を把握することができます。

在庫が多い商品を知って、仕入れやメニューを変更する際の参考にしましょう。

③原価率の確認

棚卸しをすることで、正確な原価率を知ることができます。

飲食店を経営する場合、飲食店の種類や規模などによって異なりますが、原価率は30%前後と言われています。

売上に対して商品の原価の割合がどれくらいなのかを表す原価率を知ることは、安定した経営につながる場合があります。

原価率は(手記棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)÷当月売上高×100で算出します。

原価率が高い場合、売上を上げても利益を出すことが難しい傾向があります。自身が経営しているお店の原価率を知り、利益を出すための対策を取ることができれば、安定した経営を続けることが可能になります。

飲食店の正しい棚卸し方法とは?

食材を扱う飲食店における正しい棚卸しの方法を知っておきましょう。

(1)棚卸しの方法は一つじゃない!

棚卸しには

  • 個別法
  • 先入れ先出し法
  • 純平均法
  • 移動平均法
  • 最終仕入原価法
  • 売価還元法

などの方法があります。

飲食店での棚卸しでは、一般的に「最終仕入原価法」で計算します。

最終仕入原価法による棚卸しでは、最後に仕入れを実施した時の原価を、在庫商品の単価として計算します。

仕入れた食材を下処理したり調理したりしてしまっている場合、商品としての原価は異なります。最終仕入原価法を利用して棚卸しをすることで、在庫商品の価格の基準を統一します。

また、確定申告のために税務署に「棚卸資産の評価方法の届出」をする必要があり、評価方法を変更する場合は手続きが必要になります。一度決定した棚卸し方法は、よほどのことが無い限り変更しないようにしましょう。

(2)食材の棚卸しをしよう

棚卸しをする場合、仕込みをしている食材に仕入れた状態から手を加えていても、販売する前であれば棚卸しの対象になります。

飲食店の場合、「最終仕入原価法」を利用して棚卸しを実施するため、手を加えた食材であっても仕入れの時の原価で在庫の値段を計算しましょう。

(3)飲み物の棚卸しをしよう

飲食店では、ジュースやアルコールなどの飲料も提供することになるでしょう。

食材と比較すると、飲み物は消費期限が長い分在庫管理がしやすい傾向があります。しかし、管理がしやすいからと言って仕入を多くしてしまうと、利益を圧迫してしまうことになるので注意が必要です。

飲食店において、飲料の利益率は食材よりも高いので、在庫量の管理も実施することが大切です。

在庫量の目安として、食材6:飲料4を意識すると良いでしょう。

まとめ

食材を扱う飲食店において、定期的に棚卸しを実施して正確な原価率を知っておくことは大切です。

飲食店では、いかに原価率を保つかが安定した経営につながる場合があります。正確な原価率を把握しておかなければ、売上がどれくらいあっても利益が出ていないことがあります。

安定した経営を続けていくために、定期的な棚卸しを実施しましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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