雑貨屋経営の年収はどれくらい?儲けるのが厳しいってホント? | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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雑貨屋経営の年収はどれくらい?儲けるのが厳しいってホント?

普通の会社員とは違い、好きなことでお金を稼ぐことができ、非常にやりがいを感じることができるのが雑貨屋最大のメリットと言えます。

しかし、開業はゴールではありません。続けていくのがとても難しい業界でもあります。

今回はそんな雑貨屋の市場の動向から年収まで深く掘り下げてご紹介します。

1.雑貨業界の市場は?

雑貨業界の市場規模は、業界動向SEARCH.COMの統計調査によると、2013年から2019年にかけて増加傾向にあります。

業界が取り扱う商品も数万種類あり、キッチン用品から化粧品、文房具などのジャンルから、海外製品、ユニーク製品など老若男女に幅広く支持されていることが関係していると考えられます。

また、シーズンごとに東急ハンズやバルス、良品計画など、雑貨業界の大手企業が新しい商品を販売し、価格面もリーズナブルに設定していることから購入者への購買意欲が尽きません。

2.雑貨業界の難点

(1)品揃えの同質化

雑貨を取扱う際に、売れる商品を中心に揃えると他社と同じものが店頭に並んでしまい、お店の個性を出すのが困難になっていきます。

そうなると価格で差別化を図らなければならなくなりますが、価格を下げれば商品の収益が下がり売上も上がりません。

また、売れている商品などはすでにAmazonや楽天などインターネットショップで手軽に購入できるため、店舗まで足を運んでもらうにはお店の個性を出していく必要があります。

(2)トレンドの変化

SNSの流行により、承認欲求が高く求められるようになったご時世。

目まぐるしくトレンドが変化していき、それに乗り遅れれば周りに認知されなくなる傾向があります。

半年前に発売された商品が古いと言われることもざらです。

雑貨業界も同じです。常に変わるトレンドをいち早くキャッチし対応していかなければなりません。

3.儲けるのは厳しいのか?

1章で書いたとおり、市場としては右肩上がりですが、実際に起業した際はどうなのかご紹介します。

東急ハンズや良品計画などの大手企業とそのグループ加盟などは業績の良いお店が多いですが、一般的な雑貨屋は儲かりにくいと言われています。

理由のひとつとして、雑貨の原価が高く販売価格が安いため利益が生まれにくいことが背景にあります。

では、たくさん売ればいいのでは?と思いますが、駅の近くやショッピングモールなどで販売するには出店コストがかかります。

都内で店舗を開業した場合、休日は数十万円の売上を達成するかもしれませんが、平日だと2~3万円の売上があれば良い方です。

月の店舗営業の経費などを支払うと月10~20万円の収益となります。とても厳しい業界であることはご理解いただけたかと思います。

では、雑貨屋で200万を売り上げた場合の例を見てみましょう。

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この50万円から翌月の仕入れに充てたり、宣伝のために広告費をかけたりすれば、余計に経費もかかります。

そうなると、月々の給料として手元に残るのは30万円程度ではないでしょうか。年収にしますと30万円×12ヶ月で360万円程度です。

以上の条件に達するには、仕入れから販売、接客まで多岐にわたり一人で行った場合です。

アルバイトを雇えば人件費などもかかります。これはあくまでも例えなので、一概にこうなるとは言えませんが厳しい業界なのは明らかです。

4.雑貨屋経営を成功させるには?

儲かるのが厳しいからと言って、儲からないわけではありません。

雑貨屋を開業する前にまず考えておかなくてはならない4つのポイントを今回ご紹介します。

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(1)ターゲットの選定

どのような人にどのような商品を売るのか?これは販売をする中で、とても重要なポイントです。

「20代の女性に来てほしい」「40代の主婦に来てほしい」といった曖昧な設定では、方向性が定まっておらず、お客様もかえって足が遠のいてしまいます。

幅広いターゲット層を狙うのは悪くありません。しかし、ある程度絞ることで商品のジャンルが決まり、広告の仕方が変わり、お店の内装も変わってきます。

また雑貨の運営で最も注意すべきは雑貨に流行があるということです。特に10代~20代をターゲットにした場合、流行が変わってしまい、商品を一挙に変える事態になることも考えられます。

雑誌やニュース、SNSなどを介して情報収集を怠ってはいけません。

(2)商品のコンセプトを決める

お店を開業する前から一貫性のあるお店作りをしていきましょう。好きな商品ばかりを陳列していても集客は望めません。

どのような商品が好まれるのか市場を把握しておく必要があります。

お店を構えるにあたり、周辺調査や競争相手を調査して、方向性が被っていないかなどを考慮しコンセプトを設定することで独自性の高いお店作りができるようになります。

コンセプトが決まれば、店舗の雰囲気や名前などが決まりやすく、陳列する商品のイメージもできていくでしょう。

(3)商品の仕入れ

商品の仕入れは、経営を成功させるために特に重要なポイントです。

主な仕入れ方法は以下になります。

  • 雑貨屋から仕入れる
  • 海外から仕入れる
  • Amazonや楽天などネットで仕入れる
  • 商品を自分で作る
  • メーカーに直接仕入れる
  • オリジナル商品を業者に製造してもらい仕入れる

などがあります。

雑貨の種類によって、どの仕入れ方法が最も良いのかは、違ってきます。

例えば、インターネットで仕入れた場合、「ネット販売価格は非常に安く利益が生まれにくい」また、海外から仕入れる場合、「安く商品が手に入る反面、輸送費がかかり負担が増える」など、それぞれにメリット・デメリットが存在するため、費用を抑えられる仕入れ方法はどれなのかを見極める必要があります。

(4)客単価を上げる工夫をする

有料のラッピングサービスを実施して客単価を上げる工夫もできます。

ラッピングが無料というのが当たり前のようになってきていますが、その一方でラッピングコーディネーターなど有資格者が特別なラッピングをしてくれる有料のサービスや、有料で特別素材のラッピングを用意し提供するなど、お店ごとに工夫し展開しています。

最近ではハンドメイドの雑貨作りのできるワークショップなどを付加サービスの行うお店もあります。

こうした体験型サービスは展開しやすく、上手に取り入れることで雑貨商品の利益以外での売り上げを増加させることが可能です。

まとめ

雑貨屋の経営は厳しいですが、自分らしい店舗作りや販売などメリットも多くあります。

しかし、その一方で自由に商品を販売できないこともあります。利益ができる仕組みを生み出すにはそれ相応の我慢や努力が伴うということです。

それは雑貨屋だけに限ったことではありません。常に理想のお店作りをするために勉強をしていきましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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